局地的には年間降水量の4分の1が一気に降る可能性も
オーストラリアの人口が集中する東海岸一帯で4日から6日にかけて、災害級の集中豪雨が降るおそれがあるとして、オーストラリア気象局(BOM)が警戒を呼びかけている。クイーンズランド州南東部からニューサウスウェールズ州、ビクトリア州東部にかけて直線距離で約1,200キロにわたる海岸線で、鉄砲水や河川の氾濫、強風、高波による被害が想定される。
BOMは雨が降り始めた4日午後の時点ですでに、各地で洪水や大雨、波浪などに関する警報を発令中。特に、◇クイーンズランド州南東部、◇ニューサウスウェールズ州北部、◇シドニー西方から北方にかけてのホークスベリー川流域では、大規模な洪水が発生する可能性があると警告している。
現時点の予報によると、大雨の中心は週末にかけて次第に南下し、雨量は場所によって最大200ミリ程度となる見通し。最も激しい雨が予測されているシドニー、イラワラ、ニューサウスウェールズ州南部海岸では、局地的に300ミリに達し、年間平均降水量1,211ミリ(シドニー気象台)の4分の1程度が一気に降る可能性がある。
河川に近い低地に住む人は、最寄りの非難場所や経路を事前に確認し、最新の水位情報を常に確認する。洪水の可能性が低い場所でも、強風で倒壊した樹木が家屋や車を破壊するおそれがある。海の近くでは、高波による砂浜の侵食で住宅に被害が出る可能性がある。
オーストラリア大陸南東部を東に進む低気圧に向かって東海上から湿った風が流れ込み、記録的な大雨を降らせる。ただ、雨は6日中にピークを迎え、7日には低気圧が東海上に遠ざかり、晴れ間が戻ると予測されている。7日のシドニーの天気は晴れ、降水確率10%。微風で、最低気温18度、最高気温28度と、真夏並みの陽気となる見通しだ。
■ソース
National Warnings Summary(Bureau of Meteorology)
Sydney Forecast(Bureau of Meteorology)