オーストラリア政府も支持
支配的な地位を悪用して納入業者に不当な取引を強制し、公平な競争を阻害している−−。オーストラリアのスーパーマーケット産業を寡占する大手数社の取引慣行をめぐり、クレイグ・エマーソン元貿易相が委員長を務める独立調査委員会は8日、巨額の罰金導入を含む中間報告書を発表した。
中間報告書は、年間売上高が50億豪ドルを超える食品・生活用品の小売・卸売企業について、現時点で拘束力のない「食品・生活要因規範」に強制力を持たせ、違反した企業に売上高の10%に相当する罰金を課すことを提言した。ジム・チャーマーズ連邦財務相によると、ウールワース、コールズ、メットキャッシュ、アルディの4社が対象になる。
一方、裁判所がこれらの企業の事業部門の切り売りを命じることを可能とする案については、中間報告書は導入に反対した。独立調査委員会は4月26日までに業界から意見書を集め、6月30日までに最終報告書を公表する予定だ。
公共放送ABC(電子版)によると、チャーマーズ財務相は独立調査委員会の提言を基本的に支持する考えを示した。
大手スーパーをめぐっては、インフレに便乗して不正に値上げを行い、巨額の利益を得ていたとの疑惑も浮上している。この問題については、公正取引委員会に相当するオーストラリア競争消費者委員会(ACCC)が調査を進めている。
■ソース
Release of Food and Grocery Code Review interim report(The Hon Dr Jim Chalmers MP Treasurer)