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エンジン車は本当に時代遅れなの? オーストラリアで新車の4台の1台が「意識高い系」電動車も、売れ筋は環境負荷高いSUVとトラック

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消費者の環境意識が二極化している

米テスラの「モデルY」。2024年3月のオーストラリアの車名別販売台数で3位につけ、バッテリー電気自動車(BEV)のベストセラーとなっている(Photo: Tesla)

 クルマ社会のオーストラリアで、電気自動車(EV)とハイブリッド車の「新エネルギー車」が新車の4台に1台を占めるまで普及している。温室効果ガス削減をめぐる意識の高まりが背景にある。ただ、一般的に環境に優しくないとされるスポーツ多目的車(SUV)や「ユート」(ピックアップトラック)も売れ筋となっていて、合計で新車販売の約8割に達している。ドライバーの環境意識が両極端に振れ、需要が二極化している格好だ。

グラフ1:©守屋太郎

 オーストラリア連邦自動車工業会(FCAI)によると、3月の新車販売台数(10万9,647台)に占めるエネルギー別のシェア(グラフ1)は、電気モーターのみを駆動するため走行時に温室効果ガスを排出しないバッテリー電気自動車(BEV)が9.5%、内燃機関と電気モーターを併用するハイブリッド車と、これに加えて外部電源から電気を充電できるプラグイン・ハイブリッド車が合計14.0%。これらのいわゆる「新エネルギー車」は合計で23.5%に達した。一方、ガソリン・軽油を燃料として内燃機関だけで走る従来型の車は76.5%までシェアを落としている。

グラフ2:©守屋太郎

 一方、車体のタイプ別シェア(グラフ2)を見ると、SUVが58.9%、ユートが主体の「小型商用車」が21.0%と合計で79.9%に達した。セダンやハッチバックなどの従来型の乗用車は16.1%まで縮小した。SUVの中には一部、燃費の良い小型車やハイブリッドもあるため一概には言えないものの、一般的にオーストラリア市場で好まれるSUVやユートは、重くて燃費が悪い大きな車が主流。走りは快適で荷物もたくさん積めるが、燃料をたくさん消費し、温室効果ガスの排出量も多い。環境性能だけで見ると優等生とは言えない。

グラフ3:©守屋太郎

 なお、メーカー別シェア(グラフ3)は、トヨタ自動車が17.3%と引き続き首位を独走している。米フォード、マツダ、三菱自動車、韓国・起亜自動車の4社がほぼ横並びでトヨタを追う構図だ。これらの上位5社で、全販売台数のおよそ半分を占めている。

■ソース

New Record for March New Vehicle Sales(Federal Chamber of Automotive Industries)





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