「特定の理想主義や動機に基づいた犯行との証拠はない」と州警察
オーストラリア東部シドニー東郊のボンダイ・ジャンクションにあるショッピング・モールで13日午後、男が買い物客ら6人を刺殺し、乳児を含む多数を負傷させた事件で、容疑者の人物像が少しずつ明らかになってきた。
ニューサウスウェールズ州警察が14日朝に発表したところによると、事件を起こしたのはクイーンズランド出身のジョール・カウチ容疑者(40)。精神疾患を患っていて、特定の理想主義や動機に基づいた犯行との証拠は見つかっていないという。現時点では、テロ攻撃の可能性は低いと見られる。
容疑者は、クイーンズランド州警察が知る人物だった。約1カ月前にニューサウスウェールズ州に引っ越し、小型のレンタル倉庫を借りていたことが分かっている。同州に移動した理由は不明だという。
州警察のアンソニー・クック副警視総監は会見で「私たちは引き続き容疑者のプロファイリングを行っている。現時点で明らかなのは、容疑者の精神疾患が関係しているようだということだ」と語った。
公共放送ABC(電子版)によると、クイーンズランド州保健省は14日、容疑者が10年前に精神疾患の治療を受けた記録があることを明らかにした。州保健省は声明で「治療は2012年に民間の精神科医に移された。そのほかで(容疑者が)州の医療に関わったのは、すべて精神疾患以外の健康問題で、直近の記録は4年前のものだった」と述べた。
州警察によると、容疑者はウェストフィールド・ボンダイ・ジャンクション店に刃物を持って侵入し、13日午後3時30分ごろ、店内の買い物客らを無差別に刺した。現場に駆けつけた州警察東部郊外司令部所属の女性警官が、立ち向かってきた容疑者に発砲。容疑者は蘇生措置が施されたが、その場で死亡が確認された。
■ソース
UPDATE: Critical incident declared after man shot by police – Bondi Junction(NSW Police Force)