珍しい野生動物、犯罪組織の資金源に
オーストラリア固有のトカゲを香港に密輸した罪で起訴された中国籍の男(33)に対し、オーストラリアの裁判所は12日、禁錮2年4カ月(仮釈放を認めない期間は1年2カ月)の実刑判決を言い渡した。生きたトカゲを靴下やゴム製のおもちゃに詰め込み、プラスチック製の容器に密閉して郵送するなど、きわめて残虐で悪質な手口だった。
男が密輸したトカゲは、青い舌が特徴的な「ブルー・トング・スキンク」(アオジタトカゲ属)の仲間や、「イースタン・ウォーター・ドラゴン」(ヒガシウォータードラゴン)など。2023年12月から24年1月にかけて、43匹のトカゲを7つの小包に分け、シドニーとウロンゴンの郵便局から香港に郵送した。裁判所は、野生動物の輸出を禁止した「1999年連邦環境保護・生物多様性保全法」違反で5件の有罪を認定した。
オーストラリアの連邦政府は、野生動物の密輸を厳しく取り締まっている。罰則は最大10年の禁錮刑または31万3,000豪ドル(約3,120万円)、あるいはその両方となっている。
タニヤ・プリバーセック連邦環境・水資源相によると、珍しい野生動物の密輸は国際的な犯罪組織の収入源となっており、国境を超えた取り締まりが必要だという。今回有罪判決を受けた男は、オーストラリア連邦環境省と香港当局による国際合同捜査で逮捕された。
プリバーセック環境相は「オーストラリア固有の動物は、海外で高い価値があります。密輸の危険にさらされていて、密売人や虐待的な貿易から強い力で守る必要があります。アルバニージー政権は、特別捜査班を配置して国際的な犯罪組織の根絶に力を入れています」と述べた。
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