警察・スパイ機関などの対テロ合同捜査本部
オーストラリア東部シドニー郊外のキリスト教会で15日、司教や神父らが刃物で刺されて負傷した事件で、対テロ合同捜査本部は18日、テロ罪で16歳の少年を起訴した。氏名や宗教的バックグラウンドなどは公表していない。
少年は15日午後7時10分ごろ、シドニー西郊ウェイカリーにあるアッシリア人(キリスト教を信仰する中東の少数民族)系の「キリスト・ザ・グッド・シファード教会」に侵入。礼拝で説教中だった同教会のマー・マリ・エマニュエル司教(53)を刃物で刺し、同司教は頭部に重傷を負った。また、襲撃を制止しようとしたアイザック・ロイエル神父(39)にも裂傷を負った。
ニューサウスウェールズ州警察は、礼拝の参加者が取り押さえていた少年を現行犯逮捕した。少年は襲撃時に手に重傷を負ったため治療を受けていた。対テロ合同捜査班は18日午後、入院中の病院で1995年連邦刑法上のテロ行為を実行したとして少年を起訴した。少年は保釈が認められず、19日に病床から遠隔で行われる公判に出廷する。
被告の少年は昨年11月、鉄道の車内で刃物を所持するなど複数の犯罪歴があったとされる。連邦・州政府は16日、事件を「宗教的動機に基づく過激主義」によるものと断定。州警察とオーストラリア連邦警察、諜報機関のオーストラリア保安情報機構(ASIO)、ニューサウスウェールズ州犯罪委員会が対テロ合同捜査本部を組織し、事件の全容解明を進めている。
合同捜査本部は「過激主義者の行動や、社会に脅威を与える事件に関する情報を知っている人は、どんなに些細なことであっても通報してください」と呼びかけている。
■National Security Hotline
1800 123 400
■ソース
Joint Counter Terrorism Team Sydney charge teenager with a terrorism offence(NSW Police Force)