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あなたの大切な老後資金が狙われている!

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オーストラリアの詐欺被害、昨年は総額2,800億円

 オーストラリアの2023年の詐欺被害総額は27億4,190万豪ドル(約2,820億円)となり、過去最高を記録した22年と比べて13.0%減少したものの、被害件数は60万1,803件と前年比で18.5%増加した。オーストラリア競争消費者委員会(ACCC)が28日に発表した詐欺被害に関する報告書で明らかになった。

 詐欺の種類別で被害が最も大きかったのは「投資詐欺」で、被害額は全体の半分に近い13億豪ドルに達した。次いで、通信企業や金融機関などを名乗って金を騙し取る「遠隔操作詐欺」が2億5,600万豪ドル、マッチングアプリなどで恋心を抱かせた上で送金させる「ロマンス詐欺」が2億110万豪ドル、偽サイトに誘導してカードで支払いさせる「フィッシング詐欺」が1億3,740万豪ドル、「支払い先転送詐欺」が9,160万豪ドルなどとなっている。

 オーストラリアでは近年、詐欺被害が急増しているため、連邦政府は23年にACCC内に「全国詐欺対策センター」を設置し、オーストラリア証券投資委員会(ASIC)や捜査機関と連携しながら、詐欺犯罪の取り締まりや啓発を強化している。

 ACCCのカトリオーナ・ロウ副委員長は声明で「私たちは、詐欺の防止と摘発、撲滅を目指し、連携して取り組んでいる。犯罪者への資金の流れを断ち切って消費者を保護できる兆しが見えてきたことは喜ばしい」と述べ、右肩上がりに伸びてきた被害総額が前年より減ったことを評価した。その上で、同副委員長は「詐欺犯罪者は、投資の機会を模索している中高年の老後資金をターゲットにしている」と警鐘を鳴らした。

 最近では、米実業家のイーロン・マスク氏のフェイク動画をソーシャル・メディアで見た高齢女性が、オンライン登録して「投資」を始め、騙されたケースがあった。画面上では利益が出ているように見せかけられていたが、いざ資金を引き下ろそうとするとブロックされ、女性は貯蓄をすべて失ったという。

 人工知能(AI)を悪用して著名人の動画や音声を模造し、投資を呼びかけて金銭を騙し取る詐欺は、日本でも最近、社会問題になっている。オーストラリアでは、国税局(ATO)やASICなどの政府機関、郵便局などを名乗った詐欺も横行。日本の「オレオレ詐欺」のように実の子どもを装って金銭を要求する「ハイ、マム!詐欺」などもあり、ACCCは注意を呼びかけている。

■ソース

Scam losses decline, but more work to do as Australians lose $2.7 billion(ACCC)

Targeting scams – Report of the National Anti-Scam Centre on scams activity 2023(ACCC)





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