オーストラリア政府 開戦以来の軍事支援額は880億円に
オーストラリアのリチャード・マールズ副首相兼国防相は4月27日、ウクライナに1億豪ドル(約102億円)の追加支援を行うと発表した。訪問先のウクライナでデニス・シュミハリ首相と会談し、支援策の内容を明らかにした。
このうち5,000万豪ドルは、オーストラリアの国防産業を通した直接支援で、ドローン兵器(3,000万豪ドル)、ヘルメットやゴムボート、ブーツ、火災マスク、発電機などの装備品(1,500万豪ドル)を含む。また、残りの5,000万豪ドルは、低高度防空システム配備の予算に充てる。
これにより、ロシアが2022年2月にウクライナに侵攻して以来、オーストラリアによるウクライナ支援額は累計10億豪ドル以上。このうち軍事支援は8億8,000万豪ドルに達した。
マールズ副首相は訪問中、シュミハリ首相のほかイワン・ハブリリュク国防副大臣らと会談。ウクライナ軍の訓練や国防産業を視察した。また、副首相は隣国ポーランドも訪問。同国のブワディスワフ・コシニャック=カミシュ副首相兼国防相と会談し、オーストラリア空軍が派遣した早期警戒管制機への支援に謝意を示した。
副首相は「オーストラリアはウクライナによる自力の紛争解決を引き続き支えていく」と述べた。その上で副首相は「ウクライナ国民は2年以上にわたるロシアの全面侵攻に耐え、高い士気を保っている。シュミハリ首相との会談で再認識した」と語り、今後もポーランドなどの友好国とともにウクライナ支援を続ける考えを強調した。