クイーンズランド州政府、7月から補助金支給へ
オーストラリア北東部クイーンズランド州のスティーブン・マイルズ州首相(労働党)は2日、1世帯当たり一律1,000豪ドル(約10万円)のエネルギー料金を補助すると発表した。法案が成立すれば、新年度が始まる7月以降、請求書からあらかじめ差し引く形で支給する。
手厚い補助金支給により、インフレと利上げによる生活コスト高騰の影響を和らげる狙いがある。ただ、同州は10月26日に州議会(1院制、任期4年)を控えており、労働党政権の再選に向けたバラマキの側面もある。
同州ではすでに今年度、1世帯当たり550豪ドルの電気料金補助金を支給済み。これを2倍近く上回り、オーストラリアの州政府の補助金としては史上最大の規模になるという。
高齢者手当などの各種社会保障の受給者にはさらに上乗せして1,372豪ドルを支給する。小規模事業者への325豪ドルの既存補助金は新年度も継続する。
州政府によると、1,000豪ドルは同州の1世帯当たりの年間平均エネルギー料金のおよそ半分に相当する。このため、多くの世帯にとって、今年後半の半年間(7月〜12月)の料金がゼロになる可能性があるとしている。
予算は25億豪ドルを見込む。財源は同州で石炭を採掘する企業から徴収するロイヤルティー(資源税)を充てる。与党労働党は、補助金支給を可能にする「エネルギー料金引き下げ法案」を同日、州議会に上程し、早期の成立を目指す。
■ソース
Miles government delivers $1,000 for Queensland households(Queensland Government)