豪LCCボンザ経営破たん リース会社が契約打ち切り ハワイへ飛び立つ
オーストラリアの格安航空会社(LCC)「ボンザ」が4月30日に突然、運航を停止した問題で、同社がリースしていた機体1機が9日、同社の拠点空港だった北東部クイーンズランド州のサンシャイン・コースト空港を離陸した。現地メディアが報じている。報道によると、給油のためハワイのホノルル空港に向かったと見られるが、最終目的地は不明。所有する海外の航空資産管理会社が没収すると見られる。
飛び立ったのは、ボンザがリースで運用していた中型旅客機「ボーイング737-MAX 8」5機のうち「ブルース」と名付けられた機体。経営が破たんしたボンザは、外部の管財人による任意管理の手続きに入っていた。これに伴い、機体を所有する米・アイルランド系航空機管理会社「AIPキャピタル」が4月29日、リース契約を打ち切っていた。
残る4機は、サンシャイン・コーストとゴールドコースト、メルボルンの空港に駐機している。契約が切られたリース機を保持する法的手段はないとされ、ボンザは全機を失う可能性が高いと見られる。同社は7日、14日までのフライトをさらにキャンセルすると発表しているが、機体を失えば、運航再開と経営再建の見通しはますます不透明感を増す。
任意管理手続きが進められる中、10日には第1回の債権者集会がオンラインで開催される。
ボンザは2023年1月、米投資会社「777パートナーズ」の下で第1便を就航。主に地方路線を低料金で運航していたが、わずか1年3カ月で運航停止に追い込まれた。
需要の低いニッチ路線に見合わない座席数を持つ機体を飛ばしたため、収益性が悪かったと言われているが、別の理由を指摘する専門家もいる。親会社777パートナーズの米国人経営者が、サッカー・クラブへの巨額投資にのめり込んだため、支援者から資金提供を打ち切られてて資金繰りが悪化。ボンザ破たんの最大の要因になったとの見方も出ている。
■ソース
Bonza’s aircraft leave the country after embattled airline’s fleet repossessed(ABC News)