オーストラリア東部ニューキャッスル空港で小型機 乗員乗客3人無事
オーストラリア東部のニューキャッスル空港で13日、小型機が離陸直後にランディングギア(着陸装置)の故障が判明したため、着陸装置を格納したまま決死の胴体着陸を試みるというハプニングがあった。地元メディアによると、着陸は成功し、乗客乗員3人にケガはなく無事だった。
民間航空会社「イースタン・エア・サービシズ」の小型プロペラ機「ビーチクラフト・スーパー・キング・エア」から、着陸装置が故障したとの緊急連絡が同空港に入ったのは、午前10時40分ごろ。同機は、クイーンズランド州出身の男性操縦士(53)と客の夫婦(ともに60代)が搭乗し、ニューキャッスルから直線距離で北東へ約200キロ離れたポート・マッコーリーへ向かっていた。
離陸後約10分経った時点で、車輪(巡航中は機内に格納)を引き出せないトラブルに見舞われたことが分かった。それから2時間以上、操縦士は周辺空域を旋回して燃料を消費した。緊急着陸時の火災のリスクを削減するとともに、重量を減らして着陸距離を縮小する狙いがあったと見られる。
同空港を共同使用するオーストラリア空軍ウィリアムタウン基地内には緊急対策室が設けられ、滑走路には消防や警察、救急の車両が10台以上待機した。厳戒態勢の中、同機は午後12時18分、車輪を外に出せないまま胴体着陸を敢行した。腹の部分を滑走路に擦らせながら速度を落とし、やや左に機体を滑らせて停止した。
エンジンや燃料からの出火もなく、現場で着陸を見守っていた地元住民から歓声が上がった。消防車と救急車が機体に向かったが、操縦士と乗客2人は自力で機外へ脱出した。
同空港で会見したニューサウスウェールズ州警察のウェイン・ハンフリー警視によると、乗客の夫婦は着陸直後に車に乗って自宅へ帰ったという。ハンフリー警視は「機械的な故障だった。彼(操縦士)は数時間にわたって上空で燃料を消費した後、教科書的な胴体着陸をやり遂げた」と操縦士の高い技能を称賛した。
■ソース
Plane makes emergency landing at Newcastle airport after landing gear fails(ABC News)