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和久田哲也氏の銘店「テツヤズ」、35年の歴史に幕 ワーホリからセレブシェフに立身出世した現代オーストラリア料理の旗手

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移転は断念 海外事業に軸足

テツヤズのシグネチャー・ディッシュ(看板メニュー)である「オーシャン・トラウトのコンフィ」。タスマニア産の降海型ニジマスを低温加熱し、塩昆布で風味を加えた逸品(Photo: Wikipedia)

 オーストラリアを代表する料理人の1人として世界的に知られている和久田哲也氏のレストラン「テツヤズ」(シドニー)が、7月31日の営業を最後に閉店する。フランス料理に和食のエッセンスを採り入れた現代オーストラリア料理の銘店が、35年の歴史に幕を閉じる。

 13日付の日刊紙「シドニー・モーニング・ヘラルド」(電子版)によると、市内中心部ケント・ストリートにある店舗の敷地は2018年に売却され、開発計画が持ち上がっていた。移転先を探していたが、適地が見つからなかったため、店を閉じることに決めたという。

 静岡県浜松市出身の和久田氏は1982年、22歳の時にワーキング・ホリデーで来豪した。当時は英語力も飲食業の経験もなかった。料理の世界に入ったのは、市内東部サリー・ヒルズの料理店で皿洗いと調理補助を始めたのがきっかけ。その後、「オーストラリア料理の祖父」と言われた著名シェフ、トニー・ビルソン氏に師事し、フランス料理の技術を習得した。

 1989年、フランス料理をベースに和食を融合した会席料理形式のコース料理を出す「テツヤズ」を西郊ロゼールにオープンした。オーストラリアで権威の高いレストランガイド「シドニー・モーニング・ヘラルド・グッド・フード・ガイド」で高評価を受け、大ブレークした。

 2000年には、本格的な日本庭園を備えた現在の店舗(旧サントリー・レストラン)に移転。和久田氏は、西洋料理とアジアなど多国籍料理を融合したモダン・オーストラリア料理(コンテンポラリー料理)の旗手となり、オーストラリアでも指折りのセレブシェフとして脚光を浴びた。2005年には社会への貢献が認められ、オーストラリア勲章「メダル・オブ・ジ・オーダー・オブ・オーストラリア」(OAM)を受勲した。

 近年では、シンガポールの銘店「ワク・ジン」を皮切りに、米ラスベガス、ドバイなど海外出店に力を入れていた。

 閉店の知らせを聞いた顧客からは、予約が殺到していると見られる。同店のウェブサイトによると、キャンセル待ちのリストは非常に長くなっているが、予約は歓迎するとしている。

■ソース

Iconic Sydney restaurant Tetsuya’s closing in July after 35 years(Sydney Morning Herald)

TETSUYA’S Website









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