株式市場は報道を好感、ストップ高に
カジノを中核とした統合型リゾート（IR）を運営するオーストラリアの大手企業「スター・エンターテインメント・グループ」（本社クイーンズランド州ブリスベン）が、外資の手に渡る可能性が出てきた。スターは現在、マネーロンダリング（資金洗浄）問題などで窮地に陥っている。
20日付の経済紙「オーストラリアン・フィナンシャル・レビュー」によると、IRや娯楽施設などを手がける米「ハードロック・ホテルズ・アンド・カジノズ」が、スターの救済を検討しているという。ハードロックはほかの複数のカジノと合弁でスターに資本参加して経営権を握り、スターのブランドも改める計画。カジノ依存を弱め、ライブ音楽や食事、宿泊などを強化した総合的な娯楽施設を目指す。
一方、スターは同日、オーストラリア証券取引所（ASX）に宛てた声明で、ハードロックから直接、提案は受けていないとした上で「関連会社のハードロック・ホテルズ・アンド・リゾーツを含む企業連合から、取引の可能性について打診を受けている」と報道内容を大筋で認めた。
これを受けて、シドニーのASXでは同日朝の取引開始直後、スター株が約20％急騰し、売買取引が停止された。
スターは、シドニーとゴールドコーストにあるカジノ「ザ・スター」、ブリスベンの「トレジャリー・カジノ」などを運営している。シドニーの事業をめぐっては、ニューサウスウェールズ州政府の独立調査委員会が2022年、資金洗浄対策の不備や犯罪組織との関連などを認定。州政府は1億豪ドルの罰金を命じ、カジノ免許を停止。州政府が任命した経営者の下で営業を続けていた。ゴールドコーストとブリスベンの事業についても、クイーンズランド州政府が不正を認めている。
■ソース
RESPONSE TO MEDIA ARTICLES（The Star ASX Announcement）
Hard Rock Cafe pitches Star rescue plan（Australian Financial Review）
Troubled Star Entertainment jumps 20% on takeover speculation from Hard Rock Hotels（ABC News）
