老後の主な収入はペンションかスーパー
オーストラリア統計局(ABS)が2022-23年度に行った調査によると、リタイア後の主要な収入源は、男性の46.6%と女性の40.5%が「高齢者手当」(エイジ・ペンション)、男性の33.2%と女性の21.4%が「積立投資型確定拠出年金」(スーパーアニュエーション=スーパー)だった。男性の4.4%、女性の18.4%は特に収入源がなく、貯蓄やパートナーの収入で暮らしていると見られる。
オーストラリアには「定年」の概念がない。年齢による職業差別が違法となっているためだ。ただ、勤労所得がなくても手当や年金をもらえるようになる年齢が、リタイア時期の一定の目安となっている。現時点では、エイジ・ペンション(所得制限あり)の受給開始年齢は67歳。条件を満たした場合、単身者で2週間当たり最大で1,020.60豪ドル(約10万6,000円)、同居カップルで同1,538.60豪ドル(約16万円)支払われる。
高齢者夫婦が政府から月32万円もらえるというと、日本なら十分豊かな生活ができそうだが、オーストラリアでは物価水準が高いので、持ち家がなければほとんどが家賃に消えていくだろう。持ち家があっても、集合住宅の共益費や戸建ての維持費は退職者にとってはかなりの負担となるため、油断できない。
スーパーは、例外はあるが、おおむね65歳から引き下ろすことができる。雇用主が給与の11.5%(現時点)を別に拠出して、積み立てる制度となっている。老後にもらえる金額は、勤労年数や給与、年金基金の運用成績によって大きく異なる。
■ソース
Australians still intending to retire between 65 and 66(Australian Bureau of Statistics)
Age Pension(Services Australia)
Accessing your super to retire(Australian Taxation Office)