前年比3.75%増 7月1日施行
労使調停や労働基準の監督を行うオーストラリアの「公正労働委員会」(フェアワーク・コミッション)は3日、全国統一の最低賃金(成人)を7月1日から時給24.10豪ドル(約2,514円)、週給915.90豪ドル(約9万5,530円)に引き上げると発表した。
引き上げ幅は3.75%となり、前年の5.75%は下回った。直近1-3月期の消費者物価指数(CPI)の上昇率(3.6%)をやや上回る水準に落ち着いた。激しいインフレは2022年末にピークを打ち、未だに高水準にあるものの徐々に沈静化してきている。
物価水準が異なるため単純比較できないが、東京都(令和5年)の最低賃金(時給1,113円)の2.26倍となる。米国の中でも給与が高水準のニューヨーク市(15米ドル=約2,357円)と比べても高い。
オーストラリアは先進国の平均を上回る安定した経済成長を背景に、所得水準が経済協力開発機構(OECD)主要国の中でトップレベルとなっている。これを反映して最低賃金もOECD加盟国中1位(2022年の米ドル換算値を基準とした実質値)と世界でも指折りの水準となっている。
■ソース
2023 – 2024 Annual Wage Review(Fair Work Ombudsman)