親会社の「カーニバル」ブランドに統一 南太平洋の事業再編
クルーズ客船のブランドとして長年親しまれてきた「P&Oクルーズ・オーストラリア」が、来年3月に消えることになった。P&Oの親会社で、世界最大のクルーズ客船会社である米英系カーニバル・コーポレーションが3日、発表した。
P&Oクルーズ・オーストラリアの源流は、1837年創業の英海運会社「ペニンシュラ・アンド・オリエンタル・スティーム・ナビゲーション・カンパニー」のオーストラリア法人。現在はカーニバルの子会社となっていたが、P&Oブランドを残して事業を続けていた。
カーニバルのジョシュ・ワインスタイン最高経営責任者(CEO)は声明で「南太平洋地域の人口が少ない、事業と規制にかかるコストが著しく高い、という現実を踏まえ、今後も引き続きこの地域で顧客に1年を通して素晴らしいクルーズ体験を提供できるよう、効率を高めるアプローチへと修正することにした」と述べ、事業分野を再構成する計画を明らかにした。
現行のP&Oブランド3隻のうち、「パシフィック・エンカウンター号」と「パシフィック・アドベンチャー号」はカーニバル・ブランドで運航を続け、最も古い「パシフィック・エクスプローラー号」は退役させる。カーニバルのブランドでオーストラリアを拠点に運航している4隻とともに、今後もオーストラリア・南太平洋事業には力を入れる。2025年には、この地域のクルーズ客船市場に占めるカーニバルのシェアを60%まで高める計画だ。
■ソース
Carnival Corporation To Strategically Align Portfolio, Media Release(Carnival Australia)