貿易黒字額縮小し、資本収支の赤字が増大
オーストラリア統計局(ABS)が4日発表した1-3月期の国際収支統計によると、海外から入る金と出ていく金の差を示す経常収支(季節調整済み)は、48億9,600万豪ドル(約5,100億円)の赤字だった。前期の26億6,700万豪ドルの黒字から悪化した。
このうち、物品とサービスの輸出入の差額を示す貿易収支は177億6,500万豪ドルの黒字(前期は238億6,600万豪ドルの黒字)。金の流入と流出の差額を示す資本収支は223億豪ドルの赤字(前期は208億700万豪ドルの赤字)だった。
ABSによると、鉄鉱石や石炭の生産が縮小したため物品の輸出額が減少した一方で、物品の輸入額が増えたことで貿易黒字が縮小した。これに対し、資本収支の赤字額が増大したため、経常収支の赤字転落につながった。
ABSの国際統計部門トップを務めるグレース・キム氏は声明で「金属鉱石の価格が昨年10-12月期に上昇した後、下落したため、物品輸出額が落ち込んだ。輸出品の価格は前年の同じ時期と比べて10.3%低下している」と述べ、資源価格の下落が赤字転落の一因との見方を示した。
一方、薬品や服飾・靴などの商品の輸入が増え、物品の輸入額は4.5%増加した。天候不順のため肥料の国内供給が縮小したことから、肥料の輸入額も増大した。
サービス輸入額は、海外旅行を近場の安い渡航先で済ませる傾向が強まっていることから、2四半期連続で減少した。サービス輸出額は、米シンガーのテイラー・スウィフトさんの来豪ツアーなどで海外から訪れる訪問客が増えたことが影響して、小幅に増加した。
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