1-3月期GDP成長率、前期比0.1%増、前年同期比1.1%増
オーストラリア統計局(ABS)が5日発表した1-3月期の実質国内総生産(GDP)の成長率(季節調整済み)は、前期比で0.1%増、前年同期比で1.1%増となった。いずれも2023年10-12月期の前期比0.3%、前年同期比1.6%から減速した。
ABSによると、前年同期比の成長率はコロナ禍の最中にあった20年10-12月期以来最も低い水準となった。また、1人当たりGDP成長率は前期比0.4%減となり、5四半期連続でマイナス成長となった。人口が増加しているオーストラリアでは、1人当たりGDP成長率は景気の動向を占う上で重要な指標。1人当たりベースでは、リセッション(景気後退=2期連続のマイナス成長)が続く形となっている。
ロイター通信によると、前期比成長率は市場予測の0.2%を下回った。ロイターは「高い借り入コスト(高金利)と高止まりしているインフレが、個人消費にブレーキをかけている。一方で、利下げ時期はまだ先だ」と指摘した。
GDPのおよそ半分を占める家計支出(個人消費)は、前年同期比1.3%増とGDP全体を上回ったが、生活必需品の物価上昇による影響が大きく、裁量的支出(ぜいたく品)はほとんど伸びていない。
■ソース
Australian economy grew 0.1% in the March Quarter, Media Release(ABS)
Australia economy slows to a crawl in Q1, grows 0.1% q/q(Reuters)