「平和のために戦う」とオーストラリアのアルバニージー首相
英国や米国、オーストラリアなどの連合軍が、ナチス・ドイツの占領下にあったフランス北部に攻め込んだ「ノルマンディー上陸作戦」(D-デイ)から80年――。オーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相は6日、連邦議会でスピーチを行い、「私たちは決して忘れない」と戦没者を追悼した。
フランスで行われた記念式典には、オーストラリアを代表してデービッド・ハーリー連邦総督夫妻が参列した。
ウクライナやパレスチナ自治区ガザ地区など世界で今も戦闘が続いていることを念頭に、アルバニージー首相は「80年が経過した今でも、平和は過去の成果とはなっていない」と述べた。その上で首相は「D-デイを振り返って、『平和のためには戦う価値がある』という最も重要な真実を思い出してほしい。それが、80年前にフランスの海岸で(作戦に参加した)勇敢な数千人(の兵士)が世界に知らしめたことだ」と強調した。
ノルマンディー上陸作戦は、第2次世界大戦中の1944年6月6日、英米を主力とする連合軍兵約16万人が参加。英仏海峡からフランス北部海岸に上陸した。今もなお史上最大規模の上陸作戦とされる。
オーストラリア戦争記念館の史料によると、オーストラリアも約3,200人の兵を作戦に投入した。連合軍は約1万人の犠牲者を出した。このうちオーストラリア兵の戦死者は6日の上陸作戦こそ13人と比較的少なかったが、その後の地上侵攻で数百人が命を落とした。作戦は成功し、足場を築いた連合軍は同年8月、パリ開放を実現した。
東からソ連、西から英米に挟撃されたナチス・ドイツは約11カ月後の45年5月に降伏し、欧州戦線は終了した。それから約4カ月後の8月、2発の原爆を投下された日本はポツダム宣言を受諾して無条件降伏(降伏文書調印は9月2日)。太平洋戦線も連合軍が勝利し、約6年間続いた第2次世界対戦は終結した。
■ソース
80th anniversary of the D-Day landings(Prime Minister of Australia, The Hon Anthony Albanese MP)
80th Anniversary D-Day(Australian War Memorial)