南部ビクトリア州で鳥インフル発生 50万羽殺傷処分
オーストラリアのスーパー最大手「コールズ」は現在、西オーストラリア州を除くすべての州、準州、首都特別地域の店舗で、顧客1人が購入できる鶏卵を最大2ケース(1ケースは12個入り)に制限している。鳥インフルエンザの発生の影響で供給が不足しているためだ。
オーストラリアの公共放送ABC(電子版)は10日、南部ビクトリア州でこれまでに養鶏場4カ所で鳥インフルエンザウイルス「H7N3亜型」、1カ所で同「H7N9亜型」がそれぞれ確認され、約50万羽が殺傷処分されたと報じた。隔離地域が設けられ、鶏や飼育機器などの移動が規制されている。
ABCによると、ビクトリア州は、国内の州で鶏卵の生産量が3番目に多い。同州では16羽に1羽の割合で採卵用の鶏が処分されており、鶏卵供給量は1日当たり45万個減少したという。
コールズの広報担当者は「お客様に卵が行き渡るように、すべての生産者と交渉しています」と述べた。現時点では、大手スーパーで販売規制を行っているコールズのみ。同業のウールワースやアルディは通常通り制限なしで販売している。
一方、生産者団体の「オーストラリアン・エッグス」のローワン・マックモニーズ代表は声明で「鳥インフルの発生が卵の供給に一定の混乱を引き起こしています。小売業者が供給を見直していますが、販売制限やスーパーの棚の品薄は限定的で、全国的な不足にはなっていません」と指摘した。全国的に見れば、鳥インフルに影響を受けている養鶏場は一部であり、1日当たり1,800万個以上の卵が引き続き供給されているという。
■ソース
Coles limits egg purchases as bird flu spreads to a fifth Victorian farm(ABC News)
Egg consumers shouldn’t flip out over purchase limits(Australian Eggs)