「信用できない」83% 「信用できる」17% シンクタンク世論調査
昨年11月のアンソニー・アルバニージー首相の訪中に続き、中国の李強首相が来豪して17日に首脳会談を行った。相次ぐ首脳往来は、2020年以降冷え込んでいた豪中関係の正常化を印象付けている。ただ、オーストラリア人の中国に対する意識は、どのように変化しているのか?
保守系シンクタンク「ローウィー研究所」が2024年3月に成人2,028人を対象に実施した国際情勢に関する世論調査(05年以降毎年実施)を見ると、中国に対する評価が近年、悪化していることが分かる。同調査の「世界で責任を持って行動している国家として、どれだけ信用できるか?」の設問(【グラフ1】参照)では、中国については43%が「全く信用できない」、40%が「どちらかというと信用できない」と答え、合計83%が信用できないと答えた。
豪中対立がピークに達していた22年調査の合計87%からやや低下したが、2010年代中期より以前の関係が良好だった頃と比べると、高い水準で推移している。
一方、「信用できる」は合計で17%。「どちらかというと信用できる」は15%、「非常に信用できる」は2%だった。06年の調査では、「どちらかというと信用できる」が53%、「非常に信用できる」は7%と合計で60%に達していた。中国経済の高度成長がオーストラリア経済を力強くけん引していた時代と比べ、中国に対する信用は大幅に低下している。
日本は信用されているの?
なお、この設問では複数の主要国について「信用度」を聞いているが、日本は「非常に信用できる」が30%、「どちらかというと信用できる」が57%と合計87%が信用できると答え、4年連続で1位を記録した(【グラフ2】参照)。フランス(81%)、旧宗主国の英国(80%)がこれに続いている。
同盟国で文化的結び付きも強い米国は「信用できる」が56%、「信用できない」が44%となっている。米政府の外交政策や米巨大企業のグローバル支配に対し、一般的なオーストラリア人が複雑な心情を抱いている可能性がある。
オーストラリアにとって日本は先の大戦の敵国だったが、戦後79年を経て、経済や草の根の交流を背景に親日感情は高まっている。そのことはこの調査結果からもうかがえる。
■ソース
Question: How much do you trust the following countries to act responsibly in the world?(Lowy Institute Poll 2024)