5月の豪CPI、市場予測の3.8%上回るネガティブ・サプライズ
オーストラリアの5月の消費者物価指数(CPI)が前年同月比4.0%上昇し、半年ぶりの高水準を記録した。ロイター通信によると、事前予測の3.8%から0.2ポイント上振れしたことで、市場は衝撃を持って受け止めた。インフレ再燃が意識され、利下げが遠のくどころか、追加利上げの公算も高まっている。
金利先物の値動きから算出される「豪準備銀(中央銀行=RBA)が11月までに0.25%の利上げを行う確率」は、CPI発表前の0%から60%に跳ね上がった。
ロイターによると、UBSとドイツ銀行はRBAが8月に追加利上げに踏み切ると予測している。ナショナル・オーストラリア銀は、利下げ開始が来年5月までずれ込むと想定している。
市場や家計が待ち望む利下げをめぐっては、年初には「年後半に数回」と見られていた。その後、インフレ鈍化のスピードが遅いとの見方から「年末までに1回」に後退。ところが、ここに来てインフレの上振れリスクが浮上してきたことから、利下げは来年に先送りされ、もう一段の利上げもあり得るというシナリオに傾きつつある。
今後の金利動向を占う上では、7月31日発表の4-6月期CPI統計の結果が注目される。これらの数字を踏まえて、RBAは次回の会合を8月5〜6日に開き、金融政策を判断する。
■ソース
Australia inflation jumps to 6-mth high in May, ramps up rate hike risks(Reuters)