移民受け入れ制限の一環 留学生がターゲットに
オーストラリア政府は新年度が始まった1日、学生ビザの申請手数料を1,600豪ドル(約17万3,500円)に引き上げた。従来の710豪ドルから一気に2倍以上値上げした。
海外からの移住者数を制限する観点から、留学生のビザ取得要件を厳しくしている政府方針の一環。移民政策を所管するクレア・オニール連邦内務相は「正しい留学生制度に修復する。より公平、より小規模、より良い移民制度を構築する」と述べ、受け入れを制限する意向を改めて示した。
学生ビザの申請費用引き上げのほかに政府は1日、◇雇用主指名技能労働者ビザ(サブクラス482、186など)の最低年収の7万3,150豪ドルへの引き上げ、◇一時卒業生ビザ(サブクラス485)の期間縮小と適用年齢引き下げ、◇ビザを更新し続けることで無制限に滞在を延長する「ビザ・ホッピング」の取り締まり強化、など規制を強化した。
オーストラリアでは、コロナ禍後の経済再開で海外からの移民(学生などの一時滞在者も含む)が急増。インフレを加速させ、住宅不足も招いたとの見方から、政府は昨年末、移民受け入れ数を半減させると発表していた。オーストラリアの経済発展に貢献する移民受け入れを優先する一方で、野放図な滞在延長の抜け道となってきたビザ・ホッピングを中心に、主に留学生をターゲットに締め付けを強めている。
■ソース
Fee increase for international students part of July 1 migration reforms(The Hon Clare O’Neil MP)