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企業の買収手続きもっと素早く オーストラリア政府のM&A改革法案が明らかに

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市場競争歪めるリスク案件にはより厳しく

 オーストラリアのアルバニージー労働党政権は24日、企業の合併・買収(M&A)改革をめぐる「2024年連邦財務相法改正案」の原案を公表した。M&Aの手続きを簡素化、敏速化する狙いがある。オーストラリアでは近年、日本企業が従来多かった資源権益だけではなく現地企業を買収する例も増えている。そうした日本企業にとっては追い風となる可能性がある。

 ジム・チャーマーズ連邦財務相によると、改正法案が成立すれば、大半のM&A案件は手続きが容易になり、認可までの時間も短縮されるという。規制当局であるオーストラリア競争消費者委員会(ACCC)は、市場競争を歪めるリスクが高い案件の審査に集中できるようになるとしている。

 チャーマーズ財務相は法案について「国益にとって有益な合併はプロセスを簡素に、敏速にする。同時に、公平な競争や消費者、経済全体にとってリスクをもたらす取引については、規制当局が強い調査権限を持つことになる」と指摘した。

 その上で同財務相は「ACCCは市場競争を歪める企業合併からオーストラリアの消費者を守る。市場競争を改善することによって、消費者はより質の高い選択が可能になり、公正な価格・料金の実現、イノベーション(技術革新)と生産性の加速、経済の活性化につながる」と改革の意義を強調した。

 政府は、改正法案をウェブサイト上に公開し、8月13日までにパブリック・コメントを募集している。

 また、改正法案の審議に先立ち、政府は英国の公正取引行政で豊富な経験を持つ企業弁護士、アンドレア・ゴメス・ダ・シルバ氏を専門顧問に任命した。同氏は、独立した立場で政府のM&A制度改革を監視し、連邦財務省とACCCに対して助言を行う。

 政府は改正法案の可決・成立を経て、2026年1月1日施行を目指す。

■ソース

Next step towards merger reform for a more competitive economy(The Hon Dr Jim Chalmers MP Treasurer)

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