市場予測と同じ サプライズはなし
5四半期続けて鈍化してきたインフレが、ここにきて息を吹き返しているのか? オーストラリア統計局(ABS)が31日に発表した4-6月期の消費者物価指数(CPI)の上昇率は前年同期比で3.8%となり、前期の3.6%から加速した。上昇率が前期を上回ったのは、7.8%でピークを打った2022年10-12月期以降で初めて。前期比の上昇率は1.0%と1-3月期と同じだった。
ただ、事前の市場予測は同じく3.8%(公共放送ABC)。インフレ加速は織り込み済みで、サプライズはなかった。
一方、中央銀行の豪準備銀(RBA)が金融政策を決める上でより重視するCPIの「トリム平均」(振れ幅の大きい上と下の値を除去した値)の上昇率は3.9%と前期の4.0%からスピードダウンした。RBAのインフレ目標「2〜3%」からはまだ大幅に上振れしている。
経済調査会社「BDOエコノミクス」幹部のアンデス・マグナソン氏はABCに「今日のCPI統計は予想通りインフレがしつこいことが再確認された。しかし、重要なのは、RBAの予測を上回るほど高かったわけではないことだ」と指摘した。その上で同氏は、◇RBAは次回の会合で利上げしない、◇来年初めに最初の利下げに踏み切る、との見通しを示した。
RBAは政策金利を4.35%に引き上げた23年11月以降、5会合連続で据え置いている。金融政策を決める次回の会合は、来週8月5〜6日に開く。
■ソース
CPI rose 1.0% in the June 2024 quarter(ABS)
Annual inflation rises to 3.8 per cent, up from 3.6 per cent at start of the year(ABC News)