下落局面の一時的な上昇?
シドニーのオーストラリア証券取引所(ASX)は9日、前日の米ニューヨーク(NY)市場の急上昇を受けて反発。主要株価指数「S&P/ASX200」は前日比で101.50ポイント(1.32%)高い7,783.50で今週の取引を終了した。
景気のソフトランディング(軟着陸)や利下げへの期待から、S&P/ASX200は年初から上昇基調で推移。先週8月1日には8,114.70と終値ベースの史上最高値を更新していた。ところが、世界同時株安のうねりを受け、2日に2.11%、週明け5日に3.70%それぞれ急落していた。
9日のシドニー市場の株価上昇は、前日の米ニューヨーク市場で主要指数S&P500が2.30%、ハイテク株主体のナスダックが2.87%それぞれ急反発した流れを受けた格好だ。ニューヨーク市場では、米失業保険申請数が市場予測を下回り、景気悪化懸念が弱まったことからリスクオンに傾斜した。
もっとも、株価が大幅に下げた後に急反発する様子は「デッド・キャット・バウンス」(dead cat bounce=死んだネコも高いところから落とせば跳ねる)とも呼ばれる。下落基調が続く中での一時的な反発なのか、底入れ(相場が下げ止まること)のサインなのかは、後になってみないと誰にも分からない。
いずれにせよ「落ちるナイフはつかむな」(Don’t catch a falling knife=株価が下落している時に買うとケガをする)という相場格言もある。素人の投資家は、本格的な底入れが確認できるまで静観した方が無難と言えそうだ。
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