連邦議会で見解述べる
オーストラリアではコロナ禍後、家賃の上昇が社会問題になっているが、その原因は高い金利ではなく、住宅の供給不足にあるという。一般的には、政策金利に連動して住宅ローン金利が上がると、ローンを返済しながら住宅を貸している家主の負担が増えるため、家賃に上昇圧力がかかる。
公共放送ABC(電子版)によると、中央銀行・豪準備銀(RBA)のミシェル・ブロック総裁が連邦議会で、自由党のバート・バン・マネン下院議員の質問に答えた。ブロック総裁は「(現時点で)金利は上昇していない。(高い家賃の)根本的な問題は住宅市場の供給不足だ」と延べ、高金利が家賃上昇の原因ではないと主張した。
同総裁によると、住宅建設と住宅市場の動向は、今後のインフレ予測に大きな影響を与えるが、中銀にとって非常に予想しづらい問題となっているという。
同総裁は「私たちは、家賃への影響を心配して政策金利を引き上げないわけではない。政策金利は経済の需要に影響を与える幅広いツールなのだ」と語り、家賃高騰は住宅市場の状況を反映したものだとの認識を繰り返し示した。
RBAは激しいインフレを抑えるため、2022年5月以降、23年111月までに政策金利を4.25ポイント引き上げて4.35%としている。直近6会合では据え置いている。現時点では、来年に利下げに踏み切るとの観測が強まっている。
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