「15億匹の在来種が殺されている」と環境相
オーストラリアのタニヤ・プリバーセック連邦環境・水資源相は4日、野良ネコを退治するため6,000万豪ドル(約58億円)以上の国家予算を拠出すると発表した。在来の野生動物を保護するため、害獣である野良ネコを駆除する55事業に資金を投じる。
環境相によると、オーストラリアでは哺乳類や鳥類、爬虫類、カエルなどの在来種合わせて年間15億匹が野良ネコに殺され、11億匹の無脊椎動物も被害に遭っているという。また、国内で絶滅した哺乳類の3分の2が野良ネコの被害によるもので、200種以上の絶滅危惧種に脅威を与えているとしている。
駆除の方法としては、人工知能(AI)によって在来動物を区別し、野良ネコを捕まえるワナなどを活用する。政府は野良ネコ駆除戦略案を年末までに公表し、絶滅が危惧されている在来種を守る方針だ。ペットのネコの飼い主に対しても、野生動物を保護するための責任ある行動を求めるとしている。
ピルバーセック環境相は声明で次のように述べた。
「野良ネコとの戦いに宣戦布告して以来、私たちはオーストラリアの生物多様性を侵害する害獣と戦うため、AIやワナ、地域社会の力強い行動を総動員しています。安全に素早く、人道的な方法で野良ネコを捕まえ、撲滅するため、私たちは6,000億豪ドルを投じます」
■ソース
War on feral cats: report from the battlefield(The Hon Tanya Plibersek MP)