オーストラリアで注目集める新スノースポーツ「スノスケ」とは?
白銀の雪原を滑走する遊びと言えば、大きく分けてスキーとスノーボード(スノボ)がメジャーだが、南半球のオーストラリアではこの冬、新しいジャンルのスノースポーツが密かな注目を集めているという。公共放送ABC(電子版)が伝えている。
その名は「スノースケート」(スノスケ)。形状にはいくつかの亜種があるが、一般的な「バイデッキ」と呼ばれる板は、モノスキー(幅が広い1枚のスキー板の上に足を平行に乗せて滑るスキーの一種)のような板に取り付けられた2本の脚の上部に、地面から少し浮いた格好でスケートボード(スケボー)状の木製の板が載っている。
この上に、スノボのように両足を斜めに置いて雪上を滑る。しかし、スキーやスノボのようなビンディング(足を板に固定する装置)がない。このため、サーフィンやスケボーと同様に足を自由に動かせるのでより気軽に遊べ、アクロバティックなパフォーマンスも可能となっている。
ビンディングがない分、サーフィンのようなリーシュ(足とボードをつなぐ紐状のロープ)が付いていて、転倒した際にボードを失わないようになっている。まるで、スノボとスケボー、モノスキー、サーフィンを足して4で割ったような形をしているのだ。
オーストラリア国内のスノボ競技で9回優勝経験があり、現在はスノスケの普及に努めているデイブ・ケリーさんはABCにこう話している。
「雪面から少し上でボードをコントロールするので、エッジを効かせてターンしやすい。それに、両足が(ビンディングで)固定されていないから、スノボより自由に動けるんだよ」
ただ、リーシュが付いているとはいえ、転けた時にボードが周囲に飛んでいくことは避けられない。スノスケは欧米のスキー場で解禁の動きが広がっているものの、オーストラリア国内のスキー場では安全確保の観点からまだ禁止しているところがほとんど。ケリーさんらは主なスキー場に解禁を求めて働きかけている。
1980年代にスノボーが勃興した際も、当初は禁止していたスキー場がほとんどだった。しかし、その後、スキーと肩を並べる2大スノースポーツとして人気を得て、1998年の長野五輪で正式採用されるなど競技スポーツとしてもすっかり定着した。スノスケも将来、スキー、スノボーに続く第3のスノースポーツとなる日が来るかも?
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