7会合、10カ月連続で4.35%
高金利の下で変動金利型住宅ローンの返済が急増するなど、生活費高騰に苦しむオーストラリアの生活者にとって、豪準備銀(RBA)がいつ利下げに踏み切るかは大きな関心事だ。しかし、日本を除く世界の主要国がすでに金融緩和に傾く中で、RBAは23〜24日に開いた会合で政策金利を4.35%で維持することを決めた。
据え置きは7会合連続。大半の市場参加者の予想通りで、サプライズはなかった。ただ、国民の期待に反して金融引き締めを続けるRBAに対し、政治的な風当たりは強まっている。
RBA理事会が声明で示した景気の現在地は、おおむねこうだ。4-6月期の国内総生産(GDP)統計は弱含み。可処分所得の減少と高金利を背景にぜいたく品への支出が縮小するなど消費に影を落としている。一方、海外留学生や観光客など滞在者の需要は全体的に旺盛だ。雇用の需給には軟化の兆しは見られるものの、依然としてタイトな(需給がひっ迫した)状態にある…。
その上で理事会は、前回8月の会合で示した「現在の金融引き締めは予想通り効果的」だとの判断に変化はないとして、据え置きを決めた理由を説明した。
今後の見通しについては「ヘッドライン(総合)インフレ率はしばらく低下していきそうだが、物価の動きにより敏感な基調インフレ率(極端な物価変動を除いたコア・インフレ率)は依然高すぎる水準にある」とした上で、「インフレが目標圏内(2〜3%)に戻ることを理事会が確信できるようになるまで、十分な引き締めが必要だ」と論じた。
■ソース
Statement by the Reserve Bank Board: Monetary Policy Decision(RBA)