オーストラリア金融政策、日本を除く先進国とタイムラグ
オーストラリアの中央銀行・豪準備銀(RBA)はコロナ禍のロックダウン(都市封鎖)で需要が一気に蒸発したため、政策金利を史上最低の0.10%まで引き下げ、空前の金融緩和政策を採った。
だが、その後の経済再開や供給制約、ウクライナ侵攻でインフレが激化。物価高騰を抑えるため、22年5月以降、180度方向転換してかつてないペースで利上げを断行した。23年12月には約12年ぶりの高水準となる4.35%まで引き上げ、その後10カ月間は据え置いている。
コロナ感染拡大からもう4年半。異次元の金融緩和から利上げに動き出した日本という例外を除けば、主要先進諸国の中銀は再び金融緩和に傾いている。世界経済に最大の影響を与える米国の連邦準備理事会(FRB)も18日、通常の2倍のペースとなる0.5ポイントの利下げに踏み切った。
RBAも次の一手が利下げであることはほぼ確実だが、インフレの高止まり感が拭えない上に、雇用情勢も引き続き好調であることから緩和を足踏みしている。主要国とオーストラリアの間で、金融政策にタイムラグが生じている。
ロイター通信によると、24日の据え置き発表後、金利先物が示す「RBAが年内に利下げに踏み切る確率」はやや上昇し、72%に達した。一方、エコノミストの間では、利下げは来年以降との意見も根強く、見通しは交錯している。
RBAは11月4〜5日と12月9〜10日、年内にあと2回、金融政策を決める定期的な会合を開催する予定だ。
■ソース
Cash rate target – the key monetary policy decision(RBA)
Reserve Bank Board Meeting Schedule(RBA)
Australia’s central bank holds rates, softens hawkish stance slightly(Reuters)