洋服代や外食費減らして生活防衛
しつこいインフレと長引く高金利に苦しむオーストラリアでは、多くの国民が早期の政策金利引き下げに期待している。最新の世論調査では、3人に1人が今後半年以内に最初の利下げがあると予測していることが分かった。
公共放送ABC(電子版)によると、調査会社タルボット・ミルズ・リサーチが1,000人に聞いたところ、利下げの時期について9%が「3カ月以内」、23%が「3〜6カ月後」と答え、今後6カ月以内の利下げを予測したのは合計32%に達した(円グラフ参照)。
1年以上利下げはないと予測したのは11%にとどまった。「分からない」と答えたのは27%だった。
また、生活コスト高騰によって支出を減らした品目(複数回答)は、服飾(53%)、パブ・レストラン(52%)、生活用品(48%)の順に多かった(棒グラフ参照)。
オーストラリアの中央銀行、豪準備銀(RBA)はインフレを抑え込むため、2022年5月〜23年11月の間に4.25ポイントというハイペースで政策金利を引き上げ4.35%とした。その後は7会合連続で据え置いている。
激しい利上げの影響で消費者物価指数(CPI)は22年末のピークからおおむね半減したものの、変動金利型住宅ローンが主流のオーストラリアでは、高い金利は毎月の返済額を増大させ、住宅ローンを支払いながら仕事や子育てを行っている現役世代の生活を苦しめている。今回の調査結果は、生活コスト高騰を和らげる早期利下げに国民の多くが期待していることを改めて示した格好だ。
ここにきて日本を除く主要国の中銀が相次いで利下げに踏み切る中で、RBAの利下げのタイミングは、金融市場だけではなく一般の生活者にとっても重要な関心事となっている。
■ソース