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オーストラリアと中国の関係は今どうなっているの? 通商関係は正常化も着々と包囲網

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アルバニージー政権の対中スタンスは「是々非々」

 2020年以降の中国によるオーストラリア産品に対する禁輸措置のうち、ワインに続いてイセエビも輸入再開が決まり、この問題でほぼ最後まで残っていた懸案が解決した。

 一連の禁輸対象品目のうち、大麦が中国以外に市場を拡大してむしろ輸出を伸ばすなど、オーストラリア経済全体では制裁の影響は軽微だった。しかし、ワインやイセエビは中国市場への依存度が高すぎたため、代替の輸出市場が簡単に見つからず、輸出を大幅に減らしていた。打撃を受けていたこれらの商品の生産者にとって、制裁解除は朗報だ。

 オーストラリアにとって最大の輸出先である中国との関係は従来、おおむね良好だったが、スコット・モリソン前首相の保守連合政権下で冷却化した。だが、22年に中道左派の労働党が政権を奪回すると潮目が変わった。次第に雪解けムードが熟成され、中国は禁輸を段階的に解除。今年3月にはオーストラリア産ワインに課していた高関税も撤廃した。

 主な制裁対象の最後の焦点となっていたイセエビが解除されたことで、20年以降悪化していた豪中関係は、少なくとも通商面ではほぼ正常化した格好となった。

 とはいえ、アルバニージー政権は「中国とは一致できる点では協力し、国益に照らして一致できない点では協力しない」と是々非々の対中スタンスで臨む方針だ。

 オーストラリア軍と中国軍は南シナ海などでたびたび対峙しており、安保面での中国との緊張はむしろ高まっていると言える。オーストラリアへの原潜導入を図る米英豪の「オーカス」(AUKUS)、日米豪印の「クアッド」など多国間の枠組みも強化。海洋進出を加速させる中国に睨みをきかせている。

■ソース

Resumption of live rock lobster trade with China(Prime Minister of Australia)





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