オーストラリアで詐欺被害相次ぐ
オーストラリアでは、ソーシャル・メディア(SNS)の個人売買でニセモノのスマホを高額で購入させられる詐欺の被害が相次いでいる。公共放送ABC(電子版)が伝えている。
これによると、同国ニューサウスウェールズ州南部オーバリーに住むコートニー・スミスさんは9月、フェイスブック上で商品を売買できる「マーケットプレイス」で、良心的な価格の中古スマホ「サムスン・ギャラクシー」を見つけ、1,000豪ドル(約10万円)で購入した。
「元カノのために買ったけど、別れたので売ります」という売り主のコメントを鵜呑みにしてしまった。スミスさんはサムスンの高級機種だと信じ切っていたが、送られてきた箱を開けて驚いた。時代遅れのOSやカメラを搭載したニセモノだったのだ。
売り主に連絡したが、既にブロックされていた。オンラインのコミュニティーに相談したところ、同じオーバリーで既に同じ詐欺被害に遭った人が9人もいることが分かった。
専門家によると、海外の犯罪組織が高級機種の筐体に低価格の中国製アンドロイド端末を埋め込んだニセモノを製造し、オンラインで大量に販売している。オーストラリアでは昨年12月に北東部ブリスベンの警察が注意を呼びかけていて、中国政府も犯罪組織の摘発に乗り出しているという。
オーストラリアの消費者保護法制は個人売買には適用されないため、購入は自己責任となる。規制当局のオーストラリア競争消費者委員会(ACCC)の広報担当者はABCに対し「オンラインのマーケットで個人から商品を購入する際は、レビューで売り手の評判や経歴をよくチェックしてほしい」と呼びかけている。
■ソース
‘Large criminal networks’ scamming Australians with fake, imported smartphones(ABC News)