航続距離300キロ 乗用車15台分の二酸化炭素削減
オーストラリアの大手スーパー「コールズ・グループ」は30日、バッテリーに蓄えた電力とモーターのみで走る電気自動車(EV)の大型トラックを導入したと発表した。同社によると、EV大型トラックを走らせるのは、国内の小売業界で初めて。サプライチェーン全体で温室効果ガス削減の取り組みをアピールする。
物流大手リンフォックスと共同で、スウェーデンの自動車大手ボルボの大型トラック「FH」のEV仕様車1台を南部ビクトリア州の配送センターに配備した。1週間当たり25回、近隣のコールズ店舗に商品を配送する。1回の充電で走行できる航続距離は最大300キロ。年間2万5,000リットルの燃料を節約できるという。
従来のディーゼル・エンジン車と比較して、削減できる二酸化炭素の排出量は1台当たり年間65トン。一般的なガソリン駆動のエンジン車約15台分の排出量に匹敵するとしている。
コールズは2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにするとの長期目標の下で、脱炭素の施策を積極的に進めている。25年6月末までに使用する電力の100%を再生可能エネルギー由来とする。自社の直接的な温室効果ガス排出量(スコープ1)、間接的な排出量(スコープ2)の合計で30年までに20年比で75%削減することも目指している。
スコープ1とスコープ2だけではなく、サプライチェーン全体の排出量(スコープ3)の削減にも取り組んでいる。北東部クイーンズランド州で23年に配送用のEVバンの試験運用を開始。シドニーの配送センターでもEVのトラックや冷蔵バンの運用を始めるなど車両の電動化に着手している。
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