サウジ・アラビアに重火器遠隔操作発射装置輸出
連邦政府が国内メーカーの高性能兵器をサウジ・アラビアに輸出する認可を与えたため、政府への非難が集中している。
サウジ・アラビアは隣国イエーメン内戦の戦闘当事者に荷担し、非戦闘員を無差別に殺害する爆撃などの行為で戦争犯罪容疑がかけられている。
ABC放送(電子版)が伝えた。
ABC放送が閲覧した資料によると、オーストラリアの兵器メーカー、EOS社が同社の高度な兵器操作装置をサウジ・アラビア向けに製造することになっている。
2月20日午前には豪政府のマリス・ペイン外相が上院予算委員会の証言席で、サウジ・アラビアへの武器輸出禁止を見直していると証言した。しかし、サウジ・アラビアは、イエーメンで非戦闘員を無差別に爆撃する連合国軍を指揮しており、戦争犯罪問題になっている。
また、ABC放送は、連邦政府が1,000万ドルを超える資金をEOS社の兵器開発に与えており、同社は、車両に搭載し、機関砲、機銃、ミサイル発射装置などを備え付けることのできる遠隔操作台座装置(RWS)を開発している。
ABC放送は、EOS社役員会の機密議事録を閲覧しており、それによると、サウジ政府内務省に納入するRWS500基の販売趣意書に署名したことが記述されている。
マリス・ペイン外相の証言と同じ聴聞で、リチャード・ディ・ナタリ緑の党上院議員は、「オーストラリア政府の兵器システムまたは構成部品がイエーメンの内戦に用いられないという保証はあるのか?」と問い質したのに対して、トム・ハミルトン国防省事務次官補は、「国防省はこのようなライセンスの交付には厳密な手続きを遵守している」と繰り返すだけで、あくまでもディ・ナタリ議員の質問への答を避けたため、議員と激しくやり合う結果になり、終了後、同議員は、「国民は、兵器輸出ライセンス交付に際する国防省のアセスメント手続きを信頼することはできない」と語っている。
また、クリストファー・パイン国防相も、豪国防関係企業の製品を売り込むため、サウジ政府に働きかけてきたことが報じられている。
また、豪政府は今後2028年までに2億ドルを支出し、武器輸出額で現在の世界第20位から第10位に躍進する計画を抱えている。
■ソース
Australian Government under fire over export of weapons system to war crime-accused Saudi Arabia