9月失業率4.1%、3カ月変わらず 依然として低水準
オーストラリア統計局(ABS)が14日発表した9月の雇用統計によると、同月の失業率は4.1%(季節調整済み)と7月、8月と変わらなかった。労働需要は依然として底堅く、失業率は4%を超えた4月以降の7カ月間、ほとんど同水準で推移している。
就業者数は1万5,900人、失業者数は8,300人それぞれ増加した。労働参加率(生産年齢人口に占める労働力人口の割合)は67.1%と史上最高を記録した前月からわずかに0.1ポイント低下した。
ABSの雇用統計部門のトップを務めるビヨン・ジャービス氏は声明で「失業率は2023年6月の直近の最低値3.5%と比べて0.6ポイント高いが、20年3月の5.2%よりは1.1ポイント低い」と述べ、コロナ禍前の水準を大きく下回っている現状を指摘した。
利下げは急がず来年5月との観測も
就業者数の増加幅は事前の市場予測の2万5,000人(ロイター通信)を大幅に下回り、過去7カ月間で最も小さい伸びとなり、雇用情勢の軟化を示唆している。ただ、労働需給が依然として比較的タイト(労働者の需給がひっ迫している状態)であることが確認されたため、エコノミストの間では、中央銀行の豪準備銀(RBA)が利下げ開始を急がないだろうとの観測が強まっている。
ナショナル・オーストラリア銀(NAB)もRBAが利下げを先延ばしすると予想している。同日発表した短信リポートで、利下げ開始時期の予測を従来の「25年2月」から「25年5月」に修正した。RBAは早期の利下げによるインフレ再燃の恐れを拭えないのだという。
5月以降の利下げにより、NABは「(RBAが)26年半ばまでに四半期に1回のペースで政策金利を引き上げ、(今回の利下げ局面での)下限は3.10%になる」との見通しを示した。その上で「労働市場は想定より力強く推移している。RBAは引き続き、経済成長が鈍いままの状態で労働市場の軟化が止まれば、インフレ上昇のリスクが高まることを警戒している」と指摘した。
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