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ジョージ・ペル枢機卿の児童性虐待判決で懲役刑

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6年の実刑で仮釈放請求資格は3年8か月後

 ジョージ・ペル被告人(77)が1990年代にメルボルンでカソリック大司教を務めていた時期に2人の少年合唱団員に対して性虐待を行った容疑は陪審団が有罪の評決を下していたが、3月13日には陪審団の評決を受けてVIC州裁判所のピーター・キッド首席判事が、懲役6年の実刑を言い渡した。3年8か月後には仮釈放を請求する資格が生まれる。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 ペル被告人は、1996年12月の日曜日のミサの後、2人の少年が教会の聖具保管室のワインを飲む現場を見つけ、「大変な罰を受けるぞ」と脅し、その場で2人に性虐待を行い、さらに2か月後にそのうちの1人に再び性虐待を行ったとされている。同被告人は2018年12月に有罪評決を受けていたが、さらに他の容疑が控えていたため陪審団が予断を抱かないよう報道が禁じられていた。

 キッド判事は、「被害者2人は互いに仲間の前で性的虐待の被害を受けており、恥辱は幾重にも重なっている。被害者は被告人から信頼を受ける立場にあったが被告人はその信頼を裏切った。虐待と裏切りは非常に深刻だったと言わざるを得ない」と述べている。

 さらには、大司教という立場で問題を隠すことができると考えたのは被告人の傲慢さだとして、被害者Jには生涯に残る大きな傷を残した。量刑言い渡しにあたって被害者の傷を考慮せざるを得ないと述べている。

 また、もう1人の被害者Rは2014年にヘロイン過剰服用で亡くなっており、被害者証言を得ることはできなかったとして、「しかし、Jの証言を考えれば、被害者Rにも同じように厳しい傷を残したと考えられると述べている。

 亡くなった被害者の父親は、「判決は軽すぎる。息子が返ってくるわけではないが。懲役20年か、もっと現実的に10年くらいはと思っていた。でも、服役している間は人に危害を加えることはできないからいいとしよう」と語っている。

 キッド首席判事は、「この事件では社会の一部に魔女狩りかリンチ・モブと言いたいような被告人袋だたきの風潮が溢れている。そのような行動は文明社会の正義とは言い難い」と釘を刺している。

 ペル被告人はすでに控訴手続きを進めており、2019年6月の2日間で控訴審の審理が行われる。
■ソース
George Pell sentenced to six years’ jail for sexually abusing two choirboys

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