パール・ジャムのライブ観客4万人はどうなる?
オーストラリア東部の最大都市シドニーでは今週末、州営鉄道の大規模なストの影響で交通網が大混乱となりそうだ。20日午後の時点で、ニューサウスウェールズ州政府と労組の交渉は続いていると見られるが、決裂した場合、大混乱は避けられない。
公共放送ABC(電子版)によると、「鉄道・路面電車・バス組合」(RTBU)は22日金曜日の早朝から24日早朝にかけてストを計画している。シドニー都市圏だけではなく周辺都市を結ぶ地方路線も含む鉄道ネットワークの大半が運休する公算が高まっている。労組と州政府は過去1カ月間にわたり、新しい労使協定をめぐって交渉を続けてきたが、合意に至っていない。
労組は当初、21日木曜日の夜からストに入る予定だったが、西郊シドニー五輪公園のスタジアムで同日夜、約4万人を動員する米グランジバンド、パール・ジャムのライブが開かれるため、州政府との協議の結果、混乱を避けるためスト開始を22日早朝に先延ばしした。ただ、パール・ジャムのライブは23日土曜日夜にも同じスタジアムで開催される。週末は北方のセントラル・コーストなど地方からの訪問者も多いとされ、無事帰宅できるかが不安視されている。
加えて、8月に市内中心部まで延伸した完全自動運転の地下鉄新線「シドニー・メトロ」も23日と24日の2日間、北郊チャッツウッドから南郊シドナムまでの区間で保線工事のため運休する。ストとは関係ないが、メトロの運休が交通網の混乱に輪をかけることが予想される。
州政府はバスやフェリーなど代替の公共交通機関をフルに動員して対応する。ABCによると、ニューサウスウェールズ州交通省のジョシュ・マレー次官は「できることはすべてやるが、1日100万人の(鉄道)利用客を乗せることができる交通機関はほかにない」と語り、備えを呼びかけた。
■ソース
What does Sydney’s train strike mean for the city and commuters?(ABC News)