組合員が入口封鎖 クリスマス前の繁盛期に実力行使
オーストラリアの大手スーパー「ウールワース」の配送センターで約2週間にわたり、労働争議が続いている。この影響で、南部ビクトリア州、東部ニューサウスウェールズ州、同首都特別地域(ACT)にあるウールワース店舗で商品が棚からなくなるなど、クリスマス直前の街に混乱が広がっている。
公共放送ABC(電子版)によると、ストには労組「ユナイテッド・ワーカーズ・ユニオン」の配送センター従業員約1,500人が参加している。メルボルンのダンデノン・サウスなどビクトリア州3カ所、ニューサウスウェールズ州1カ所の配送センターでは組合員が入口を封鎖。出勤しようとする従業員や会社関係者を入場させないよう実力行使を続けている。
労組は、ウールワースが導入した「懲罰フレームワーク」の撤回など労働条件の改善を求めている。これはすべての職務で100%の成果を出さなければ罰則を受ける制度で、労組は「私たちはロボットではない」と反発していて、過度なプレッシャーにさらされた従業員に危険が及ぶと主張している。
一方、ウールワースは組合員による配送センターの封鎖をやめさせるよう、労使紛争の裁定を行う国の「公正労働委員会」(FWC)に調停を申し入れた。会社側によると、スト開始以来の累計で国内食品部門の損害額は5,000万豪ドル(約50億円)に達したという。
オーストラリアでは、東部シドニーでも11月末の週末、州営鉄道の従業員が参加する労組が48時間の大規模なストを計画。同都市圏と周辺の広い範囲で運行停止が心配された。ストは直前に回避されたが、労使協定の改訂をめぐる労組と州政府の交渉は続いていて、火種はくすぶったままだ。
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