一部酒販店「ダン・マーフィーズ」や「BWS」で在庫不足
オーストラリアのスーパー大手「ウールワース」の配送センターで約2週間続いているストの影響が、酒類量販店にも広がっている。オーストラリアの公共放送ABC(電子版)によると、南部ビクトリア州と東部ニューサウスウェールズ州の酒販大手「ダン・マーフィーズ」や同「BWS」の中には、酒類の供給が滞って在庫が品薄になっている店舗があるという。
ダン・マーフィーズやBWSを運営する酒販大手エンデバー・グループは、ウールワースが運営する物流企業「プライマリー・コネクト」を利用しているため、配送センターのストの影響を受けているという。ABCによると、エンデバーの広報担当者は「在庫への影響は店舗によって異なる。店によっては商品の入荷が滞るところもある」と述べ、ダン・マーフィーズやBWSに混乱が広がっていることを認めた。
ダン・マーフィーズは1952年に創業、ウールワースが98年に買収した。ウールワースは2019年に酒類部門を「エンデバー・ドリンクス」として分社化。20年にはパブ運営最大手「ALHグループ」と合併して「エンデバー・グループ」となった。21年にオーストラリア証券取引所(ASX)に上場し、ウールワースとは完全に切り離された別会社となっているが、ストの巻き添えを食った格好だ。
調査会社「アイビスワールド」によると、エンデバー・グループはオーストラリアの酒類小売業界でシェア38%(24年)と最大手。郊外型大型店ダン・マーフィーズ266店、小型店BWS1,435店などを全国展開している。パブ・バーのビジネスでもシェア10.4%を獲得して首位に立ち、酒場344店と遊技機1万2,500台を運営している。
■ソース
Government urges Woolworths and union to end dispute now affecting Dan Murphy’s(ABC News)
IBISWorld Industry Report “Liquor Retailing in Australia”
IBISWorld Industry Report “Pubs, Bars and Nightclubs in Australia”