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原発解禁の豪野党試算には重大な欠陥がある! 与党気候変動・エネルギー相が主張

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再エネの方がコスト低い、蓄電池でピーク電力の90%まかなえると反論

 オーストラリア最大野党の保守連合(自由党、国民党)が13日に発表した原子力エネルギー導入のコスト試算をめぐり、与党労働党のクリス・ボウエン気候変動・エネルギー相は「国民に数十億豪ドルの負担を強いることになる」と反論した。

 ボウエン氏は声明で、保守連合が原発導入で電気料金が下落すると主張していることについて、「専門家は原発導入によって電気料金が最大で年間1,200豪ドル値上がりすると見積もっている。原子炉が稼働するまでの20年間には(電力供給の不足による)停電リスクもある」と主張。保守連合の試算には「3つの重大な欠陥」があると批判した。ボウエン氏の指摘の要点は次の通り。

①保守連合は電力需要を低く見積もっていて、原発コストが(再エネよりも)低いとの主張は無責任だ。ピーター・ダットン(保守連合代表)の原発計画は、将来のエネルギー需要の増大に対応しておらず、経済成長を停止させる。

②(保守連合の)試算は世界の現実を反映していない。試算は原発由来の電力が1メガワット時30豪ドルで提供されると想定しているが、オーストラリア連邦科学研究機構(CSIRO)が各国の実例から導き出したコストは1メガワット時145〜238豪ドルだ。保守連合は、原子炉の建設が遅れたり、コストが大幅に上振れしたりしている世界の現実を無視している。納税者の負担や財源についても口を閉ざしている。

③保守連合は原発から一般家庭や企業への送電コストの差額を520億豪ドルと誤って見積もっている。

 ボウエン氏は、野党の主張とは逆に「再エネ供給が今後10年間にさらに拡大することによって、電気料金はいっそう押し下げられるだろう」と述べた。

 太陽光や風力などの再エネは時間帯や天候によって出力が上下する一方で、原発が24時間安定的に発電可能な「ベースロード電源」であることも、野党は導入理由の1つに挙げた。しかし、ボウエン氏は労働党政権が設置を進めている定置型蓄電池が再エネを蓄えることによって、一般家庭のピーク時の電力需要の90%をまかなえると主張。「夜も昼も、いつでもどこでも、国民が必要とする電力需要に十分対応できる」としている。

■ソース

Media Release, “Under the Opposition’s nuclear scheme Australians will pay more to sit in the dark”(The Hon Chris Bowen, Minister for Climate Change and Energy)

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