2月利下げ開始か!? オーストラリアのコアインフレ率、3.2%まで低下

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CPI総合は2.3%上昇

 オーストラリアでは極端な物価変動を除いた「コアインフレ率」が低下していることから、中央銀行の豪準備銀(RBA)が2月17〜18日に開く今年最初の会合で、利下げに踏み切るとの観測が強まっている。RBAは2023年11月以降、1年以上にわたって政策金利を4.35%で据え置いてきた。インフレ沈静化が確実となり、利下げ開始が実現すれば、高い金利に苦しんできた家計にとっては朗報となる。

 オーストラリア統計局(ABS)が8日発表した月次消費者物価指数(CPI)指標(四半期のCPI統計とは異なる)によると、24年11月のCPI総合は前年同月比で2.3%上昇した。いずれも2.1%の上昇だった9月、10月と比べて加速した。事前の市場予測(2.2%=ロイター通信)も上回った。

 ただ、ABSによると、インフレの加速は連邦・州政府によるエネルギー料金補助金の支給次期のズレによる一時的な料金上昇が主因と見られる。電気料金やガソリン代などの極端な物価変動の影響を差し引いた「トリム中央値」の上昇率は3.2%と10月の3.5%から減速。RBAのインフレ目標である「2〜3%」の上限に近づいてきた。

 トリム中央値は、主要国の「コアインフレ率」や日本の「コアコアインフレ率」にほぼ相当する。RBAは金融政策を決める上で、「ヘッドラインインフレ率」(CPI総合)よりもトリム中央値を重視するとされている。

 オーストラリアの2024年11月のコアインフレ率がスローダウンしたことを受けて、金融市場は2月の利下げ開始を織り込みつつある。ロイター通信によると、金利先物価格から算出される「2月利下げ」の確率は、CPI統計発表前の50%から発表後に64%に上昇した。

■ソース

Monthly CPI indicator rises 2.3% in the year to November 2024, Media Release(ABS)

Australia’s core inflation slows, keeping door open to Feb rate cut(Reuters)

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