関税撤廃や無関税枠で市場アクセス改善
オーストラリアのジュリー・コリンズ連邦農林水産相は15日、オーストラリアと英国の自由貿易協定(FTA)によって、牛肉や羊肉、ハチミツなどオーストラリア産農産物の英国向け輸出が大幅に伸びたことを明らかにした。
豪英FTAは2023年5月に発効した。関税が撤廃されたり、無関税枠が設定されたりしたことで、オーストラリア産農産物の英国市場へのアクセスが改善した。
23-24年度(23年7月1日〜24年6月30日)のオーストラリア産農産物の対英輸出額は7億1,100万豪ドル(約693億円)と前年比で14.1%増えた。
品目別で最も多いのはワイン(3億9,400万豪ドル)で半分以上を占めた。羊肉(ラムとマトン=1億3,100万豪ドル)、牛肉(7,300万豪ドル)、ヒヨコマメ(1,300万豪ドル)がこれに続いている。
中でも伸びが大きかったのは牛肉で、前年度比で339%の急増(4.39倍)を記録した。ハチミツは55%増、砂糖は23%増、ラムは26%増、マトンは37%増と好調だった。
コリンズ農相は声明で「オーストラリアの農業生産者は牛肉や羊肉、ワイン、砂糖、穀物、青果といった様々な商品の対英輸出で、FTAの恩恵を受けています。ワインや短粒米、中粒米、ハチミツ、オリーブオイル、ナッツ類の関税がゼロになり、牛肉や羊肉、砂糖の無関税枠が設定されたことが、農業に利益をもたらしているのです」と述べた。
オーストラリアは、農林水産業の生産額全体の70%を169の市場に輸出している。農業生産力が高いわりに国内人口が比較的少ないため、輸出市場への依存度が高い。このため、連邦政府は主要貿易相手国とFTAや経済連携協定を積極的に締結し、海外市場の開拓を推進してきた。
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