利下げは2月に始まるの?それとも… 豪エコノミストの予測分かれる

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失業率4.0%に上昇も、労働市場は依然力強く

オーストラリアの失業率の推移(出典:オーストラリア統計局)

 オーストラリアでは、直近2024年12月の失業率が小幅に上昇したものの、労働市場の力強さが改めて浮き彫りになった。中央銀行・豪準備銀(RBA)の利上げ見通しについては、市場の予測が二分する形となっている。

 オーストラリア統計局(ABS)が16日発表した雇用統計によると、12月の失業率は4.0%(季節調整済み)と前月から0.1ポイント上昇した。就業者数が5万6,300人増えた一方、失業者数は1万300人増加した。

 仕事を探している人が増えたことが、失業率を押し上げた。労働参加率(15〜64歳の生産年齢人口に占める労働力人口=就業者数と完全失業者数の和=の割合)は0.2ポイント上昇して67.1%、総人口に占める就業者数の割合は0.1ポイント上昇して64.5%となり、いずれも史上最高を更新した。

 ABSの雇用統計部門のトップを務めるビヨン・ジャービス氏は声明で「就業者と失業者の数がいずれも伸びたことが、労働参加率をさらに引き上げる結果になった」と指摘した。

29日発表のCPI統計に注目

 HSBCのポール・ブロクサム首席エコノミストは公共放送ABC(電子版)のインタビューで「失業率はピークを打ったのかもしれない。それは、コアインフレ率がインフレ目標に向かって低下し続けるかどうかをRBAが判断する上で重要な要因になる」との見方を示した。その上で、利下げの開始時期は2月17〜18日の今年最初の会合ではなく、第2四半期にずれ込むとの従来の予測を維持した。

 一方、コモンウェルス銀の有力エコノミストであるギャレス・エアード氏は「依然として2月の会合での0.25ポイントの利下げが行われる」と予測した。利下げを決める要因としては、1月29日発表の24年9-12月期の消費者物価指数(CPI)統計が重要としている。同銀は9-12月期のトリム中央値(コアインフレ率にほぼ相当)の上昇率を前期比0.5%以下と予測しており、インフレ圧力が利下げに踏み切るのに十分低い水準になるとの見通しを示している。

 ABCによると、2月利下げ開始の確率は現時点で70%となっている。オーストラリアの主要銀行のうち、コモンウェルス銀、ANZ銀、マッコーリー銀のエコノミストが2月利下げ観測を支持している。

■ソース

Unemployment rate rises to 4.0% in December, Media Release(ABS)

Live: Unemployment rate climbs in December, ASX follows Wall St higher, TikTok prepares to shutdown(ABC News)

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