親会社ウェスファーマーズ発表
オーストラリアのコングロマリット(複合企業)大手「ウェスファーマーズ」(本社パース)は21日、傘下の大手オンライン・ショッピングサイト「キャッチ・ドットコム・エーユー」(catch.com.au)を3月末で閉鎖すると発表した。
ウェスファーマーズによると、キャッチの2024年12月末まで6カ月間の収支は3,800万(約37億円)〜4,000万豪ドルの赤字(税引き前)が見込まれるなど業績が悪化していた。背景には競争の激化があるという。
オーストラリアのオンライン小売業界は近年、米アマゾンや豪コーガン、大手スーパー「ウールワース」系の「マイディール」などが林立してしのぎを削っている。これ以上の出血を止めるため、撤退に踏み切った。
閉鎖の一時的な費用として25年度下期に5,000万〜6,000万豪ドルを計上する予定。キャッチの配送センターは、同じく傘下の小売チェーン「Kマート・グループ」に統合する。キャッチのデジタル資産もグループ内の小売部門で共有し、閉鎖の影響を最小限に食い止めるとしている。
ウェスファーマーズは西オーストラリア州の農業共同組合が源流で、現在では国内最大級のコングロマリットとなっている。家庭用品チェーン大手「Kマート」や同「ターゲット」、ホームセンター「バニングス」、事務用品「オフィスワークス」、薬局「プライスライン」といったオーストラリア在住者に馴染み深い小売チェーンから、産業用の保安グッズ、農薬、化学品、資源エネルギーまで様々な事業を手がける。
キャッチは06年に創業。ウェスファーマーズが19年に買収していたが、わずか6年で見切りをつけた。
■ソース
Catch wind down and OneDigital update, News Release(Wesfarmers)