海難救助のエキスパートだった
オーストラリア北東部クイーンズランド州の最大都市ブリスベン北方の島で3日、遊泳中の10代少女がサメに襲われ、死亡する事故があった。公共放送ABC(電子版)が伝えている。
報道によると、現場はブリスベンから直線距離で北へ約50キロに位置するブライビー島の南東部ウーリム・ビーチ。3日午後5時ごろ、通報を受けて救急救命隊が駆けつけたが、死亡が確認された。サメに噛まれた上半身の深いケガが致命傷となった。
外洋に面したウーリム・ビーチは、水泳やサーフィン、釣りを楽しむ地元市民や観光客に人気のスポット。周辺海域はサメが多いことで知られており、大型の釣り針に餌を付けてサメを捕獲する「ドラムライン」と呼ばれる仕掛けが設置されているという。
「ビーチに来るのをやめないで」と父
ABCによると、死亡したのはシャーリーズ・ズマダさん(17歳)。8歳で地元のサーフ・ライフ・セービング・クラブ(海難救助とその競技を行う地域団体)に入り、ライフ・セーバーとしての訓練を受けた。チームの副キャプテンを務め、ライフ・セービング競技の世界選手権にも出場するエキスパートだった。シャーリーズさんを亡くした父、スティーブさんは次のように述べた。
「はらわたがえぐられる思いをしましたが、人々がビーチに来て、ビーチを楽しむのをやめないでほしい。(ビーチは)私たちの重要な生活の一部だからです」
相次ぐシャーク・アタック
クイーンズランド州でシャークアタック(人がサメに襲われる事故)が起きたのは、過去3カ月間で3度目。昨年12月2日には、州東部グラッドストーン沖に位置するカーティス島でスピアフィッシング(銛で魚を突くレジャー)を楽しんでいた60代の男性がサメに襲われた。重傷を負ったが、命に別状はなかった。
12月28日には、カーティス島の北方にあるハンピー島で同じくスピアフィッシング中の男性(40歳)がサメに襲撃され、駆けつけた救急救命隊の手当を受けたものの、現場で死亡が確認されている。
■ソース
Seventeen-year-old girl killed in shark attack at Bribie Island, north of Brisbane(ABC News)
Bribie Island community mourns 17-year-old shark attack victim Charlize Zmuda(ABC News)