高病原性鳥インフル「H7型」終息宣言も、オーストラリアで卵不足続く

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感染力強い「H5型」流入に備え予算100億円

写真はイメージです(Photo: Morgane Perraud on Unsplash)

 オーストラリア連邦農林水産省は6日、昨年から南東部で感染が拡大していた高病原性鳥インフルエンザ「H7型」の終息を宣言し、国際獣疫事務局(WHOA)に報告したと発表した。

 同国では昨年初め以降、高病原性鳥インフルH7型の3つの亜種が見つかった。南部ビクトリア州8カ所、東部ニューサウスウェールズ州6カ所、同首都特別地域2カ所の合計16カ所の養鶏場で感染が確認された。昨年7月12日以来、新たな感染が報告されていないことから、1月23日に遡って終息を宣言した。

 ただ、鶏卵の供給不足は続いている。感染拡大に伴い大量の鶏が殺傷処分されたため、飼育数が回復するまでに時間がかかると見られるからだ。

 東部の最大都市シドニーのスーパーでは、今も鶏卵が入手しにくい状態が続いている。同市内の大手スーパー「コールズ」は現在、顧客1人が一度に購入できる鶏卵の数を最大2パック(1パックは通常12個)に制限している。卵は小規模な青果店などではより手に入りやすいが、価格はフリーレンジ(放し飼い)の1パックで8〜9豪ドル(約760〜860円)前後と高止まりしている。

 一方、世界各地で猛威を振るっている高病原性鳥インフル「H5型」については、オーストラリアは世界の大陸で唯一、感染が確認されていない。連邦政府はH5型流入対策に1億豪ドル(約95億円)以上の予算を投じ、検査やワクチン接種、感染拡大の軽減、啓蒙活動などの施策に取り組んでいる。

 ジュリー・コリンズ連邦農林水産相は声明で「これまで50年間に(オーストラリア国内で)感染が拡大した高病原性鳥インフルH7型は、私たちの力強いバイオセキュリティー制度のおかげで、すべて撲滅に成功してきた。しかし、非常に感染力が高く深刻なH5型系統については、世界中で鳥類だけではなく哺乳類も死に至らしめることが確認されており、私たちも楽観できない」と述べ、国を挙げてH5対策を強化する考えを強調した。

■ソース

Australia free from H7 avian influenza(The Hon Julie Collins MP, Minister for Agriculture, Fisheries and Forestry)

Joint Media Release: Albanese Government delivering more than $100 million to fight avian influenza(The Hon Julie Collins MP, Minister for Agriculture, Fisheries and Forestry)

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