コロナ禍で大量出店も泣かず飛ばず
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米ドミノ・ピザのフランチャイズ・チェーンを運営するオーストラリアのファストフード大手「ドミノ・ピザ・エンタープライゼス」(DPE)は7日、日本市場で172店を閉鎖すると発表した。経営改善策の一環で、日本とフランスを中心に世界で合計205店を閉める。
日本で閉鎖する店舗数の内訳は、フランチャイズ58店、直営114店。昨年7月にも日本で80店、フランスで20〜30店を閉鎖すると発表していたが、昨年11月に就任したマーク・バン・ダイク最高経営責任者(CEO)の下、追加でリストラのアクセルを踏み込む。
日本市場では、宅配需要が急増したコロナ感染期に403店を大量出店。現在、日本の総店舗数は944店と最大の進出先(グラフ参照)となっている。しかし、全体の2割近い不採算店を「損切り」して膿を出し切り、将来の成長につなげる。
DPEは「本家本元」米ドミノとの間に資本関係はない。北東部クイーンズランド州ブリスベンに本社を置き、シドニーのオーストラリア証券取引所(ASX)に上場するオーストラリア企業だ。米ドミノとのフランチャイズ契約に基づき、日本などのアジア、オセアニア、欧州で合計3,734店舗を運営している。米ドミノのフランチャイズ運営企業としては世界最大の規模がある。
投資家は大胆なリストラ策を好感した。シドニーのオーストラリア証券取引所(ASX)では7日、発表を受けてDPE株は終値で1株当たり35.93豪ドルと前日比21.3%上昇した。ただ、コロナ禍の21年に記録した最高値と比べると約2割の水準にとどまり、低利益を背景に株価は長期的に低迷している。
■ソース
Trading Update, 7 February 2025(Domino’s Pizza Enterprises)