オーストラリア政府、ロードサイドにEV充電スタンド500台分新設 普及の伸びは頭打ちだけど!?

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2.3億円かけて今後2年半で整備

グラフ作成:©守屋太郎

 オーストラリア連邦政府は7日、ニューサウスウェールズ州とビクトリア州、南オーストラリア州の南東部3州の道路脇に、電気自動車(EV)用の充電スタンドを250基整備すると発表した。1基当たり2本の充電プラグが2本ずつ付いていて、合計500台が利用できる。

 オーストラリア再生可能エネルギー局(ARENA)が240万豪ドル(約2億3,000万円)の予算を投じ、EV充電企業「EVXオーストラリア」が2年半かけて設置する。道路脇にある既存の電柱に取り付け、電力を供給する。充電スタンドは国内で設計、製造したオーストラリア製品を使用する。急速充電方式ではないという。

 オーストラリアでは、日本と異なり一般的に路上駐車が可能となっている。道路脇の充電スタンドが少ないため、都市部で自宅に駐車場がないドライバーは路上でEVを充電することが難しい。

 再エネ移行に積極的な連邦労働党政権は、路上の充電インフラが充実すればEV普及が加速すると見ている。クリス・ボウエン連邦気候変動エネルギー相は声明で「自宅で充電できない国民にとって、これらの充電スタンドはクリーンで維持費が低いEVへの移行に向けた重要なステップになるだろう」と指摘した。

 ただ、電気モーターだけで駆動するバッテリー電気自動車(BEV)の伸びは足元で減速している。

 オーストラリア自動車協会(AAA)によると、直近の2024年7-9月期のBEV販売台数は1万8,990台と前年同期の2万2,651台から減少した。全体の乗用車販売台数に占める割合は6.57%と前年同期の7.43%から縮小した。一方、内燃機関と電気モーターを併用する「ハイブリッド車」は16.70%と前年同期の10.31%からシェアを伸ばしている。

■ソース

Charging ahead on EV infrastructure(The Hon Chris Bowen MP, Minister for Climate Change and Energy)

Electric Vehicle Index, September Quarter 2024(Australian Automobile Association)

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